将棋を指すときに得意な戦型があるように、柔術でもそのような戦型があるのですか、と生徒さんからきかれ、そうですねぇと応えました。
私は将棋をほとんど知りませんが、例えば「矢倉」の戦型が好きでそれを指そうと決めた場合、対戦相手と自分の初手から24手まではスルスルと毎回同じ指し方をすることになるのだそうです。
江戸時代から現代まで、矢倉を指そうと思ったら24手、呼吸を合わせたように相手も毎回同じ指し回しになるらしいです。
定石というほど立派で仰々しいものではないのかもしれませんが、ルールや人体工学その他の制約の中でどうやってもそのような動きになってしまうようなこと、その動きをやらないと「奇抜ですねえ」みたいに驚かれてしまうような動きがあります。
トライフォース志木では不潔なことと危険なこと以外だったらどのような動きをしてもOKです (実際、ブラジリアン柔術は大抵の動きを許容するようなルールになっています)。
しかし、特定の戦型の前提だったり、そこに至るまでの定石的な動きや体捌きやコンセプトを学ぶため、トライフォース志木では、まずはベーシックカリキュラムの動きを再現できるようになってもらいます。
使うかどうかは生徒さん次第だという立場ですが、実践的で、身体的に負担が少なく、しかも応用が効く動きばかりなので自然とベーシックカリキュラムの動きに誘導されるはずです。
やりたい戦型(将棋で例えると矢倉)があると言っても、その戦型にたどり着くまでに地味だけど外せないやり取りがあります。
試合が始まった瞬間にいきなり特定の戦型になることはありません。
相手がいて、しかも相手と直接コンタクトするスポーツなので、思う通りにいかないことがおおいです。
むしろ邪魔しかされません。
自分の邪魔しかしてこないはずの対戦相手との暗黙の了解的なものが定石で、それらについてもベーシックカリキュラムの中で汲み取っていただければと思っています。
自分の体格や気質だとどうしてもこの戦型に落ち着くんですよ、相手も毎回このように応じてくるんですよ、みたいなものがなんとなく見つかることがあります。
そうやって自分の戦型がみつかるともっと柔術が面白くなってきます。
いろいろと動いて試してみましょう。
そしてこの記事のために念の為ネット検索したところ、矢倉24手には現代版と古典があるみたいですね。
モダンなコンセプトが台頭するところも柔術っぽいです。
そしてカジムラさんも王道の定石・コンバットベースからスパイダーガードを潰します!
胸をはって膝を落とし、ここから自分の戦型にもっていきたいですね!